過敏性腸症候群（IBS：irritable bowel syndrome）
原因・病態
消化管の運動異常や知覚異常などが原因となり、慢性的に腹痛や腹部不快感、便秘・下痢などの便通異常を伴い、排便によって腹部症状が改善されるもの。
検査で明らかな原因疾患や生化学的異常が同定されない疾患。
主な症状
腹部症状
- 腹痛
- 下痢・便秘
- 腹部膨満感
- 残便感
- 腹部不快感
- ガスの貯留
精神症状
- 不眠
- 不安
- 抑うつ
全身症状
- 頭痛
- 易疲労感
- 背部痛
- 肩こり
消化器系
- 吐き気
- 嘔吐
- 食欲不振
分類
ブリストル便形状スケールを元に、以下の4つの型に分けられる。
①便秘型：タイプ1、2が25％以上あり、タイプ6、7が25％未満
②下痢型：タイプ6、7が25％以上あり、タイプ1、2が25％未満
③混合型：タイプ1、2が25％以上あり、タイプ6、7も25％以上ある
④分類不能型：上記の①〜③に分類されないもの
診断基準
RomeⅢによる過敏性腸症候群の診断基準
症状が６ヶ月以上続いている
+最近の3ヶ月のなかの1ヶ月につき、少なくとも3日以上にわたって腹痛や腹部不快感が繰り返し起こり、下記の2項目以上がある。
| 1.排便によって症状が軽減する |
| 2.発症時に排便頻度の変化がある |
| 3.発症時に便形状の変化がある |
治療
- 日常生活・食生活の指導
- 病態の説明・不安の除去
- 増悪因子の是正
- 薬物療法
- （認知行動療法）