肝硬変症(liver cirrhosis)
原因・病態
様々な原因によって肝内血管系の変化を生じる慢性の肝障害。
日本における肝硬変症の原因の約90%は肝炎ウイルスによる慢性肝炎。
欧米ではアルコールが原因となることが多い。アルコール性肝硬変症では、組織の顕微鏡所見にてアルコール硝子体(マロリー小体)がみられる。
○代償性肝硬変症:黄疸、腹水、肝性脳症なし。
○非代償性肝硬変症:黄疸、腹水、肝性脳症あり。
重症度(チャイルド-ピューのスコア)
1点 | 2点 | 3点 | |
血清ビリルビン(mg/dl) | <2.0 | 2.0〜3.0 | >3.0 |
血清アルブミン(g/dl) | >3.5 | 2.8〜3.5 | <2.8 |
腹水 | なし | 治療が容易 | 治療困難 |
精神症状 | なし | Ⅰ〜Ⅱ度 | Ⅲ度〜Ⅳ度 |
プロトロンビン時間活性値(%) あるいはプロトロンビン時間の延長(秒) | >80 1〜4 | 50〜80 4〜6 | <50 >6 |
グレードA:5〜6点
グレードB:7〜9点
グレードC:10〜15点
主な症状
- 全身倦怠感
- 浮腫
- 易疲労感
- 食欲不振
- 腹水
- 黄疸
- 肝腫大
- 手掌紅斑
治療
- 適度な運動(散歩程度)
- 食事療法(バランスよく摂る。非代償性で肝性脳症ありの場合はタンパク質制限)
- 食塩制限(腹水貯留時、3〜6g/日)
- 肝性脳症対策(腸管の浄化、アミノ酸不均衡の是正)
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