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肝炎(hepatitis)

原因・病態

肝臓全体に炎症が生じた状態。原因はウイルスや薬物、アルコールなど様々。

肝炎ウイルス(A,B,C,D,E)が原因として有名。
肝炎ウイルスに対するマーカーがある。HA○○はA型、HB○○はB型とそれぞれ。A,E型は経口感染、B,C,D型は血液感染。

急性肝炎(acute hepatitis)

通常ウイルス肝炎をさす。発症後5週間程度で完治することが多い。

症状

  • 全身倦怠感
  • 食欲不振
  • 感冒様症状
  • 食後の吐き気
  • 発熱
  • 全身瘙痒感

各肝炎ウイルスの特徴

A型肝炎:A型肝炎ウイルスを含む糞便に汚染された水・生の貝を食べると感染する。

B型肝炎:血中ウイルス量が多い。針刺し事故で感染。HBワクチンが有効。

C型肝炎:慢性化しやすい(約70%)。有効なワクチンはない。

急性肝不全(acute liver failure)

急速な肝細胞の脱落障害によって肝機能に障害がある状態。
初発症状出現から8週間以内に、プロトロンビン時間が40%以下or PT-INR値1.5以上が基準。

非昏睡型肝不全

肝性脳症をみとめない or 昏睡度がⅠ度まで。

昏睡型肝不全

肝性脳症を呈する。肝性脳症を有するものの中でウイルス性肝炎によるものを劇症肝炎と呼ぶ。

初発症状→肝性脳症が出現期間でさらに分類
急性型:10日以内
亜急性型:11日〜56日(8週間)以内
遅発性肝不全(LOHF):8週〜24週

※肝性脳症…肝臓で解毒されるはずのアンモニアが解毒されず脳へ→精神・神経症状の出現

昏睡度

Ⅰ度睡眠と覚醒のリズムの逆転、
多幸感、だらしなく気に留めない態度
Ⅱ度
見当識障害、異常行動、うとうとする
指示には従える、羽ばたき振戦
Ⅲ度興奮状態または意識混濁、幻覚を伴う反抗的態度
ほとんど寝ている、指示に従えない、
羽ばたき振戦
Ⅳ度昏睡、痛み刺激に反応
Ⅴ度深い昏睡、痛み刺激に反応しない

主な症状

  • 全身倦怠感
  • 食欲不振
  • 吐き気
  • 発熱
  • 腹部膨満感
  • 皮膚瘙痒感
  • 皮膚の横染
  • 腹水
  • 頻呼吸
  • 肝性脳症

治療

  • 全身管理・合併症対策
  • 薬物療法(免疫抑制薬、肝庇護薬)
  • 血漿交換療法
  • 吸着式血液浄化法
  • 肝移植

慢性肝炎(chronic hepatitis)

6ヶ月以上の肝機能の異常+ ウイルス感染が持続。
高度な肝機能異常を伴わないことも多く、自覚症状は少ない。
バランスの良い食事、薬物療法などで治療。

薬物性肝障害(drug-induced liver injury)

①薬物代謝の過程で異常をおこす
②薬物そのものが毒性で異常をおこす(中毒性)
③アレルギー性
などにより肝機能に異常をきたすもの。

※薬物の代謝にはシトクロームP450(CYP)が関与している。

アルコール性肝障害(alcoholic liver injury)

アルコールが原因となり肝機能に異常が生じる病態。禁酒によって改善するが、肝硬変など、ある程度進行してしまうと回復しない。

制度

  • 身体障害者手帳制度