血圧異常
目次
血圧とは
血管を流れる血液が血管壁を押す力。一般に血圧といえば動脈の血圧を指す。
血圧は運動や入浴、ストレスなどによっても容易に変化する。
★血圧 = 心拍出力 × 抹消血管抵抗
○本態性高血圧:はっきりとした原因が不明な高血圧。全体の90%以上。
○二次性高血圧:血圧上昇の疾患がある場合。
二次性高血圧の原因
- 腎実質性高血圧
- 腎血管性高血圧
- 内分泌性高血圧(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、先端巨大症、バセドウ病)
- 血管性高血圧(大動脈炎症候群(高安動脈炎)、大動脈狭窄症)
血圧の分類
WHO、ASH/ISHによる高血圧の分類
ASH:米国高血圧学会
ISH:国際高血圧学会
日本高血圧学会による成人期の血圧の分類
高圧目標
診察室血圧(mmHg) | 家庭血圧(mmHg) | |
若年・中年・前期高齢者患者 忍容性のある後期高齢者患者 | 140/90 未満 | 135/85 未満 |
後期高齢者患者 | 150/90 未満 | 145/85 未満(目安) |
糖尿病患者 | 1310/80 未満 | 125/75 未満 |
CKD患者 | 130/80 未満 | 125/75 未満(目安) |
脳血管障害患者 冠状動脈疾患患者 | 140/90 未満 | 135/85 未満(目安) |
※忍容性:薬物の有害事象が服用者にとってどのくらい耐えられるかの程度
高血圧の影響
影響の受けやすい臓器
- 心臓
- 脳
- 腎臓
- 眼
キース-ワグナー分類(高血圧による眼底変化の分類)
Ⅰ度 | 網膜動脈の軽度の狭小化および硬化を示す |
Ⅱ度 | 動静脈交差部における静脈の圧迫および 動脈壁反射を伴った中等度の動脈硬化を示す |
Ⅲ度 | 網膜細動脈のれん縮、綿花様白斑および出血斑をみとめる網膜像 |
Ⅳ度 | Ⅲ度の網膜像に視神経乳頭浮腫を伴ったもの |
症状・徴候
- めまい
- 顔面紅潮
- 頭痛
- 疲労
- 鼻出血
治療
- 食塩制限(目標:6g/日未満)
- 食事療法(野菜・果物・魚油の積極摂取、コレステロール・飽和脂肪酸の制限)
- 適正体重維持
- 運動
- 禁煙
- ストレスの解消
- 便秘の解消
- 薬物治療(カルシウム拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬、α遮断薬)
- 外科・内視鏡的手術(二次性高血圧に対して)
本態性低血圧
本来、重力に逆らって脳に血液を送っている
=低血圧では脳に血が巡らない
○起立性低血圧:循環血液量現象、血管調整の障害が原因
○食事性低血圧:高齢者の食後に起こる。腸への血流増加による調整不良
症状
- めまい
- 立ちくらみ
- 失神
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