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ギャンブル依存症を紐解く!

近年はギャンブル以外の娯楽も多く、のめり込む人も少なくなったともいわれていますが、2017年の厚生労働省のデータでは生涯で約320万人もの人が依存状態に陥ったことがあると推計されています。

私の友人にも、パチンコにはまり、パチンコ屋でバイトしながら、稼いだお金をパチンコに費やすという循環を繰り返している人がいました。

ギャンブル依存症とはどのような状態なのでしょうか。

学習理論で説明すると

人間を含む動物は、必ず報酬を貰える状態より、たまにしか報酬を貰えない状態の方が熱中しやすいという実験結果があります。

専門用語でいうと、オペラント条件づけにおける部分強化効果といわれるもので、
毎回報酬が貰える場合を連続強化
時々報酬が貰える場合を部分強化
といい、部分強化された行動の方が消去されにくいのです。

ギャンブルでは毎回報酬が与えられる訳ではなく、時々報酬を得るようにできています。

これにより、ギャンブルという行動から離れることを防いでいるのです。

心理学で説明すると

突然ですが質問です。

次の2択に対して、あなたはどちらを選びますか?
①必ず50万円が貰える
②1/2 の確率で100万円が貰える

多くの人が①を選択します。
リスクを避けて、確実に得をするように無意識で考えます。

次の質問です。
次の2択に対して、あなたはどちらを選びますか?
①必ず50万円の借金を負う
②1/2 の確率で100万円の借金を負う

この場合、多くの人が②を選択します。
リスクがあっても、損が少なくなるように無意識で判断します。

これは、プロスペクト理論(損失回避の原則)と呼ばれるもので、マーケティングなどによく利用される理論です。

これをギャンブルに置き換えるとどうでしょう。

ギャンブル依存症患者がよく考えることが、
「前回の負けを次で取り戻す」です。
さらなる”負け”のリスクを背負ってでも、損失を0にしたいと思う訳です。

もう一つ、関連するクイズを出題します。

表と裏が同じ確率で出るコインがあります。
1回目から4回目まで投げて、結果は全て表。
では5回目のコインは表と裏、どちらが出やすいでしょうか。

1回目:表
2回目:表
3回目:表
4回目:表
5回目:?

確率の問題になりますが、人間の心理をのぞいてみると、
「ここまで表が多いから次も表だ」
「ここまで表ばかりだから次は裏だ」
と考える人もいます。

正解は、表と裏が同じ確率で出るコインなので、五分五分です。
どちらがでやすいとかはありません。

しかし、ギャンブル依存症の人は、
「最近調子がいいからまた勝てる」
「○○回転したからもう当たるだろう」
という思考になりやすいのです。

医学的に解説すると

ギャンブル依存症では外界からのギャンブルに関する刺激(音や光、文字や匂い)や感情(幸福感、悲しみ)に関する刺激に対して、脳がより反応する状態になっています。

専門的に言うと、ノルアドレナリン機能異常、ドーパミンの代謝回転の上昇が起こっています。

これにより、脳がギャンブル関連の刺激を求め、ふらっとギャンブルをしに行き、そこで得た刺激によりさらに脳内で神経伝達物質の異常が増強されてしまうのです。

また、過剰な反応を示す刺激が存在することにより、他の刺激に鈍感になり、ギャンブル以外への興味関心の希薄化にも繋がっています。

まとめ

ギャンブル依存症は、DSM-5やICD-10などでも精神疾患に分類されています。様々な要因により行動や状態が強制されている状態ともいえるでしょう。
もし、ご自身や身の回りの人でギャンブル依存症で困っている方がいたら、専門機関へ繋ぐ、繋がることをお勧めします。