本ページはプロモーションが含まれています

呼吸器−症状−

自覚症状

喀痰

気道には粘液を分泌する盃細胞が存在。

大きい異物は粘液により捕らえられて、線毛細胞の線毛運動によって口側に運ばれ、喀痰として排出or嚥下される。

嫌気性菌が増殖すると卵や魚が腐ったような悪臭がする。

膿性喀痰

黄色または緑色。白血球(好中球)に多量に含まれるペルオキシターゼの色調。

気道内の感染を示唆。

非膿性喀痰

白色。空気が混ざり気泡により白く見える。

血痰・喀血

喉頭、気管、気管支、肺胞など呼吸器系からの出血が核出される状態。

咳嗽

①気道内に異物が入り込むのを防ぐ、②気道で分泌されたものを喀出する という目的がある。喀痰を伴うものを湿性咳嗽、伴わないものを乾性咳嗽という。

咳嗽の機序:十分な吸気→声門が閉鎖→肺内圧上昇→声門解放→肺内の空気排出

神経(反射)の機序:迷走神経の末端受容体に刺激が加わる→延髄にある咳中枢に興奮が伝導→咳嗽反射

※わざと咳払いができる=大脳からの咳中枢への入力(支配)もある。

咳嗽が引き起こされる誘引は下記の2つに大別できる。

①化学的刺激:ヒスタミン、ブラジキニン、サブスタンスPなどの物質、粉塵、ガス、乾燥した空気、冷気

②物理的・機械的刺激:気道・肺胞の伸展・収縮、迷走神経への刺激

呼吸困難

呼吸を行うのに必要以上の努力を要する感覚

呼吸困難の機序

①血液ガスの異常:PaO2の低下、PaCO2の上昇、pHの低下→延髄腹側の中枢性化学受容体や頸動脈小体の末梢化学受容体を刺激→換気を増加させるように作用

②呼吸仕事量の増加:呼吸仕事量=換気量×呼吸筋に加わった力。呼吸仕事量増加が大脳に伝えられ、呼吸困難を生じる。

③呼吸中枢からの刺激:呼吸筋への活動増加の刺激が同時に中枢神経にも伝達し、呼吸困難感を生じる。

④呼吸筋の機能障害:呼吸筋が力を発揮できなかった場合、その情報が大脳に伝達される。

呼吸困難の分類

呼吸パターンによる鑑別

①早く浅い呼吸:肺、胸郭のコンプライアンスが低下した場合に見られる。

②早く深い呼吸:呼吸中枢が刺激された場合、激しい運動後に見られる。

③遅く深い呼吸:気道抵抗が上昇した場合に見られる。

他覚症状

チアノーゼ

皮膚や粘膜の色が青紫色に変化して見えること。口唇、口腔内、爪床、四肢末端などでみられる。脱酸素化ヘモグロビンが5g/dl異常貯留した場合にみとめられる。

①中枢性チアノーゼ:動脈血中の酸素飽和度が低下→脱酸素化ヘモグロビンが増加

②末梢性チアノーゼ:酸素化は正常、循環障害によって末梢での酸素消費量が増大→脱酸素化ヘモグロビン増加

ばち指

爪床から末梢の指節が棍棒状に膨らんで、爪に彎曲度が増大した状態。

呼吸の異常

呼吸運動の異常

①口すぼめ呼吸:慢性閉塞性肺疾患を示唆。呼気時に口をすぼめ、ゆっくり息を吐くことで気道内圧を高め、末梢気道の虚脱・閉塞を防ぐ呼吸。

②フーバー兆候:慢性肺気腫などで横隔膜の動きが制限された時に呼吸補助金で呼吸運動を行おうとするもの。呼気時に下部肋間部が内側へ陥没する。

③奇異呼吸:吸気時に腹部が陥没し呼気時に吐出する呼吸運動。上気道が閉塞した場合に生じる。

呼吸数と深さの異常

呼吸リズムの異常

①クスマウル大呼吸:正常に比べ遅いが、深いわりには速い呼吸。体内のHCO3-が低下し酸性環境が呼吸中枢を刺激するためおこる。

②チェーンストークス呼吸:無呼吸状態から徐々に深い呼吸になり、再び徐々に無呼吸に戻るというパターンが周期的にほぼ規則的に繰り返される。酸素・二酸化炭素に対する呼吸中枢の感受性の変化が原因。

③ビオー呼吸:無呼吸期間と数回の深い頻呼吸が不規則に繰り返される。延髄の呼吸中枢の障害で発生。

呼吸音の異常

声の異常

声は呼気が整体を振動させ、その振動が空気を振動させることで生じる。

嗄声(かすれ声):声帯は迷走神経の分岐にあたる反回神経が分布する内喉頭筋(外惻輪状披裂筋)の働きにより閉じる。反回神経麻痺により声帯の開閉がうまくいかず声がかすれる。

いびき

鼻から咽頭までの気道(上気道)が形状の変化、炎症、充血、乾燥、過剰な分泌物や筋緊張の低下、口呼吸などにより狭くなり、そこを呼気・吸気の呼吸抵抗が約50%を超えると発生する。

医学基礎

Posted by tobi