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呼吸器ー構造と機能ー

呼吸器

呼吸器の構造

肺胞

気管支の末端部分。肺胞上皮細胞からなる。表面は毛細血管と接しており、ガス交換が行われる。

間質

肺の中を空気と血液が流れるための支持構造(血管・結合組織、軌道の軟骨・平滑筋など)の総称。

気管支動脈

肺そのものに酸素と栄養を送るためのもの。

★肺は右肺は上葉・中葉・下葉、左肺は上葉・下葉に分かれる。それぞれの下葉はほぼ裏側に位置する。

さらに各肺葉が2〜5個の区域に分かれ、合計で右が10、左が8に区分される。

●気道のクリアランス

気管支の表面は、多数の気管支腺の開口部を有し、線毛上皮細胞に覆われている。

=異物を包み込んだ痰を作って、線毛運動によって外へ押し出す。

気管

喉頭から連続し、左右の気管支に分かれる。成人で長さ約10cm

気管・気管支軟骨+膜組織(膜様部)+軟骨間膜からなる。

膜組織は平滑筋を含んでおり、咳嗽時にこの部分が収縮することで口径が狭くなり、気流速度が速くなることで痰を外へ押し出しやすくする。

気管は気管分岐部で左右に分かれるが、右の気管支の方が傾斜角度が急(約30度)で短く(約2cm)、左の気管支の方が傾斜角度が緩く(約45度)長い(約4cm)。

細気管支

気管は、気管→気管支→葉気管支→区域気管支→細気管支→終末細気管支→呼吸細気管支→肺胞嚢→肺胞 と枝分かれをしていく。

細気管支以下は軟骨を持たず、弾性繊維が発達している。(弾性を保ちつつ潰されない)

縦隔

前方を胸骨、後方を脊椎、下方を横隔膜に囲まれた場所の名称。

縦隔には心臓、心臓に出入りする大血管(大動脈、肺動脈、肺静脈、上大静脈、下大静脈)、気管、食道、胸管(リンパ管)、神経(迷走神経、横隔神経)、胸膜などが存在する。

肺門

直径7〜8cm程度の楕円形。肺と心臓が肺動静脈で繋がり、気管と気管支で繋がっている。

胸腺

胸骨のすぐ後ろに存在。胎生期にはT細胞の成熟・分化に関与する。

胸郭

肺は、上方と側方を肋骨、肋間筋および肋骨に付着する広背筋、前鋸筋、大胸筋、僧帽筋などの呼吸筋群に囲まれ、下方は横隔膜に囲まれている。この囲みを胸郭といい、その中の空間を胸腔(胸膜腔)という。

胸膜

肺と胸郭の内側を覆う膜。胸壁の側を壁惻胸膜、肺を覆う側を臓惻胸膜と呼ぶ。

胸膜内には数mlの胸水が存在する。

横隔膜

ドーム型。頂上の中心部分が腱となり、その周囲が放射状に筋肉(横紋筋)となっている。

筋肉が収縮すると、中央の腱が引っ張られるため横隔膜は下方へ下がる。

呼吸器の機能

呼吸調整

呼吸調節により呼吸(換気)の速度、リズム、深さが決定され、動脈血中の酸素分圧と二酸化炭素分圧が一定に保たれる。脳幹部の延髄の呼吸中枢が調節を行う。

①動脈血酸素分圧(PaO2:基準値80〜100mmHg)

②動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2:基準値35〜45mmHg)

を化学受容体が感知する。

●化学受容体

①中枢化学受容体:延髄にある。PaCO2の変化に敏感に反応。

②末梢化学受容体:頸動脈や大動脈にある。PaO2の変化に反応。

通常はより敏感な中枢化学受容体からの信号で呼吸を調整。

末梢化学受容体はある程度低酸素状態が進行した時(PaO2が60mmHg以下)に初めて反応する。

換気運動

吸気時:横隔膜と外肋間筋を収縮させることで空気を流入。

呼気時:筋肉を弛緩させる。(何もしない)

胸腔内圧が陰圧に保たれているため、密着していなくても筋肉に連動して肺が膨らむ。

正常な換気には気道の広さと肺の柔らかさが必要。

●気道抵抗

気道の広さが狭くなると上昇する。

●コンプライアンス

肺(あるいは胸郭)の柔らかさ(可動性)のこと。

ガス交換

①肺胞内のガス分圧と③血液内のガス分圧の差、②肺胞壁の通りやすさ(拡散能)に影響される。

①は吸入気のガス分圧と換気量(肺胞換気量)によって決定される。室内吸入下(酸素濃度21%、吸入気酸素分圧150mmHg、二酸化炭素分圧0mmHg)では酸素分圧100mmHg、二酸化炭素分圧40mmHg。

●肺胞換気量

肺胞でのガス交換に有効な換気量。1回換気量-死腔容積=肺胞換気量。

●死腔

上気道や気管など肺胞が存在せず、ガス交換を行えない領域。約150mL程度。

●拡散能

拡散:物質が濃度の高いところから低いところへと移動する現象

肺胞領域では酸素分子は酸素分圧の高い肺胞内から分圧の低い血液へ移動(拡散)する。

酸塩基平衡

動脈血中のpHは7.35〜7.45に保たれている。

pHを一定に保つ=酸と塩基(アルカリ)の量が釣り合っている

釣り合っている状態を酸塩基平衡という。

血液中の酸としては二酸化炭素が最も多く、塩基としては炭酸水素(重炭酸)イオン(HCO3-)が最も多い。

肺では二酸化炭素排出量の増減によって、腎臓でHCO3-の排出量の増減によって平衡を保っている。

医学基礎

Posted by tobi