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仕事が続かない?それは敏感な性質のせいかも!?HSPを紐解く

HSPという言葉を耳にしたことはありますか?
HSPとは、Highly Sensitive Personの略で、一言で言えば”敏感なセンサーを持っている人”のことです。5人に1人はこの性質を持っていると言われています。

この性質を知ったときには、これまでの自分の特性を解説されているように感じ、長年の自分の性質の謎がとけたスッキリ感がありました。

HSPって?

HSPとは病気なのか?性格なのか?障害なのか?

HSPは”超敏感な人”とよく表現され、敏感なセンサーを持った人です。犬の嗅覚は人間の1億倍というように、HSPのセンサーは非HSPより敏感という性質です。病気でも性格でも障害でもありません。

ですが、その敏感さによってうつ病を引き起こしたり、またはうつ病に間違えられたり、内向的な性格と相関があったりはするようです。

以前、自分は自律神経失調症ではないかと疑ったこともありますが、過敏さと自律神経機能は関係があります。交感神経が優位であると過敏さが上昇し、自律神経機能をダウンさせます。

人間っていろいろな要素があって切り離せないのですね。

チェックリスト

  • 大きな音や強い刺激が苦手
  • 大きな音で不快になる
  • 一度にたくさんのことが起こっていると不快になる
  • いろいろなことが自分の周りで起きていると不快な気分になる
  • 明るい光や強い匂い、ゴワゴワしたきじ、近くのサイレンの音などに不快感を感じる
  • 忙しい日々が続くと、プライバシーが得られる部屋に逃げたくなる
  • 一度にたくさんのことを頼まれるとイライラする
  • 短時間にたくさんのことをしなければならいないとおろおろする
  • 他人の気分に左右されやすい
  • ビクッとしやすい
  • 上司などに見られていると、緊張や動揺でいつもの力を発揮できない
  • 強い刺激に圧倒されやすい
  • 痛みに敏感である
  • 子供の頃、親や教師はあなたのことを「敏感だ」とか「内気だ」と見ていた
  • 生活に変化があると混乱する
  • 微細で繊細な香り・音・味・芸術作品などをこのむ
  • 誠実である
  • 美術や音楽に深く感動する

18個中12個以上当てはまるとHSPであると言えるでしょう。
しかし、数が少なくてもHSPである可能性もあります。
ネットなどには簡単にテストできるものがあり、私自身、昔にHSPを知ったときに試してみたら、「HSPレベル:中」のように表示され、「中程度なら違うのかもしれない」と可能性を否定して苦しみから逃れるチャンスを放棄したことがありました。もし生きづらさを感じてHSPを調べているのなら、簡易的なテストを信じて自分を否定しないでください。

特徴

真似するのが上手

HSPはミラーニューロンという、他の人の動きを真似する際に働く神経が発達しています。そのため、まわりで起こることに対し、どうなるか見通しをもったり、感情移入したりしやすいのです。モノマネが得意なHSPや勉強が得意なHSPもいます。「学ぶ」の語源は「真似る」からきている説もあるくらいですからね。またHSP研究の第一人者のアーロン曰く、HSPは右脳の動きが活発らしい。右脳の記憶容量は左脳に比べて大きく、多量の映像や音声をデータとして記憶できる上に処理スピードも速い。これはプラスの性質ですね。


ところで、私はHSPなのに頭がよくないのですが、何故だか考えてみると、細かな音や人の動きなどが気になって勉強に身が入らなかったことが原因だと思います。HSPの特性を早くに知っていれば勉強法、場所などをもっと工夫できたのにと後悔。

共感性が高い

HSPは性格ではありませんが、この共感性の高さから、優しい人が多く、よく相談役になります。しかし、相談役になって自分の方が疲れるなんてことも。聞き上手なため、長くてどうしようもない愚痴を言いたい人がよってきます。

また、テレビやドラマで登場人物の感情を自分のように感じることも特徴です。暴力的なものは避けたくなるのもこの影響です。ちなみに私が心理学に興味を持ったきっかけの一つが、「医療ドラマを見ていて自分も同じ部分が痛くなることから、人間の心と体がつながっていることに興味を持ったから」という理由なのですが、正しくHSPの共感性で心理学というよりは脳科学、医学の分野だったと知りました。大学の面接などでこの理由を聞いていた人たちが非HSPでHSPのことを知らなかったら、コイツ何言ってんだろうと思われていた可能性が高いですね。

他人事なのに気になってしまうのがこの共感性。場の雰囲気が悪くなった時に、自分のせいにしたり、何かできたのではないかと悩みます。客観的に見ると、自分以外にも同じ立場の傍観者はたくさんいて、そんなに深く考える必要はないのにです。

人のピンチも自分のピンチに置き換えて考え、何かできないかと探ります。この結果、私はいつも業務量過多。それでも、誰かを差し置いて先に帰るより気持ちは楽。自己肯定感の低さも相まって、役に立つととても嬉しい。しかし疲労は溜まる一方。頼まれてもいない雑用を引き受けて、他の人に不満を感じながらも、何も言えない。仕事は断れず、気付いたら仕事を抱え込み、キャパオーバー。結果転職をしてしまう悪循環。


自分以外の全員に気を使いすぎていることが問題なのです。自分をぞんざいに扱いすぎる。繊細で傷つきやすいのに…。丁寧にできない理由は自分を過小評価していることが関係しているそう。失敗を重く受け止めすぎて自己否定。否定の経験からさらに敏感になって、過剰に緊張・怯え・こだわりが増えていく。

空気が目に見える・空気を過剰に読む

これは個人差がありそうですが…。何も言葉を発していなくても感情がわかるという意味では共感できます。機嫌の悪い人の周りの空気が淀むくらいはありますよね?

また、実際に口にされていない自分の評価が聞こえてくるなんて特徴もあります。自己肯定感が低いのもHSPの特徴で、マイナスな評価がとても気になり、何気ない一言がずーっと心に突き刺さったままになります。

これも瞬発的に状況を頭の中で構築して自分を納得させているそうです。
過去の相手とのやり取りやしぐさ、微妙な表情から敏感に察知して、無意識のうちにそれを脳が分析して結論を導き出しているのだとか。

この影響か、親や教師などの期待に応えようとする癖がつき、常に相手の思惑を忖度する結果になります。

アダルトチルドレンやヤングケアラーに通ずるものがありそうですね。
期待に応えて学力が高まるのは「ピグマリオン効果」と言って良いものなのですがね。

こうあるべき思考・完璧主義

この思考は自分をとても苦しめます。しかし分かってはいても簡単には変えられないのが難しい。0か100かで判断しがちなこの極端な思考は、HSPの特徴というよりは、HSPが持ちやすい考え方だと思います。下手をするとうつへ一直線。そうでなくとも自己評価が急降下しやすいです。グレーゾーンを受け入れられるかが自分を楽にできるかの分かれ目。

そのほか

家の中を見られるのが嫌、相談してストレスを相手に分けるのが嫌というのは「エクスポージャー不安」と言います。晒したくないってことですね。

小さい頃は洋服のタグがひたすら不快でした。タグを切ったら今度は切り口がチクチクと気になるという終わりなき戦い。

大人になってだいぶ改善されましたが、とんでもない偏食もHSPの特徴です。味に敏感で、それが功を奏してソムリエなどに生きることもあるそうですが。今でも、誰にも気を使わない家での食事では好きなものを食べることが多いです。私は味よりも食感に敏感で、好きなものどうしが混ざっていても、食感次第では食べたくありません。客観的にはわがままに見られることも多いです。お子さんがHSP(子供の場合はHSC)の場合は叱る前にチェック。特性かも。

冷蔵庫の音やパソコンの音など、家の雑音も苦手。寝るときに気になってしまうと最悪。外の電線のジジジジという音も気になる。

神経を尖らせて敏感にしているせいなのか、人より大食いなのに全然体重が増えない。体が栄養を吸収しないのかもしれない。体型で性格を分類したクレッチマーも、神経質な人はやせであると言っている。

雨の降る匂いが分かるのも特徴。雨の降る匂いは「ペトリコール」というちゃんとした名前があるらしい。鼻がよく効くので、異変にはよく気がつくし、タバコがとても苦手。旅行などから帰ってきて土地の懐かしい匂いを強く感じる瞬間は好き。

HSPはマルチタスクが苦手というのに最初は疑問を感じていました。私は同時にいくつものことをこなすのは得意で、あまりにいくつものことをするので奇妙がられるくらいでした。しかし、音や映像などの刺激を分別なくキャッチしてしまった結果、同時にいろんなことができていただけで、反対に言えば一つのことができなかったのです。しかも、マルチタスクを強制的にした上で全ての疲労感もついてきます。マルチタスクならぬフルタスクです。そりゃぐったりだ。

これは関係あるかはわかりませんが地震にも敏感で、小さな揺れのあとに「今地震あったよね?」と言っても首を傾げられることもしばしば。

最悪の事態を想像しがちなのも特徴かもしれません。顕著なのは恋愛においてで、付き合いたての幸せ期でも別れを想像してしまう。パートナーの何気ない一言や冗談、視線や行動だけでも自分を責めて、心に刺さる。冗談を真に受けて過剰にダイエットしたことも。そもそも人と一緒にいることに強いストレスを感じる私(HSP)は恋愛、結婚がまともにできるのかも不安です。

HSS:High Sensation Seeking(刺激探求型)

HSPの3割はHSSという特性も併せ持つと言われており、私もこのHSS型HSPです。

HSSは外交的で刺激を求めるタイプのこと。
内向的で刺激に敏感なHSPとは一見すると真逆の性質のように思えますが、こいつがまた生きづらさを助長しています。

新しいものが大好きで、刺激を求めます。その割に飽き性で続きません。そして新しいものは刺激が大きいことがほとんどであり、結果とても疲れるという不器用な存在です。

人間を相手にしても、知ることがなくなるとその人に飽きてしまい、人間関係をリセットしがちです。私も過去に3回くらい大きく人間関係をリセットしてしまっています。(転職を何回もしているので小さいリセットは数えきれません!)博士の愛した数式の30分しか記憶がもたないのって実はちょっと羨ましい。

HSPとうつの違い

HSPうつ
色彩鮮やかな色が苦手世界が灰色に見える
他人と自分への
興味
他人が非常に気になる自分のことしか考えられない
感情感情豊か感情は平坦
原因気質状況
状態ずっと病前後で変化
出典『HSPとうつ 自己肯定感を取り戻す方法』

HSPでもうつでも、体の不調は「無理しないで」というメッセージです。感情を無視したり押さえ込んだりすると、身体症状が出てきます。

機序は
感情の押さえ込み・無視→自律神経が組織への血流を低下→全身の血流低下→酸素供給量の低下→痛み、痺れ、筋力低下などの障害
具体的な障害:腰痛、肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、喘息、花粉症、蕁麻疹、胃酸過多、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、頻尿など

うつにもなったことがありますが、深海の中にいるみたいな感覚で、世界は暗く重く何をするにも億劫でした。マンションの管理人やコンビニの店員にすら会いたくなくて、自動販売機が救世主だと感じていました。そのときはセンサーは休止状態で、刺激を感じることも無かったように思えます。当時はHSPも知らなかったですし、そもそも思考力もなかったのであまり覚えてはいません。うつの話はまたどこかで。

超敏感との付き合い方・対処法

  • ルーティンを決めておき、こなす
  • 自分の感じたこと、原因を書き留める。(出来事と自分の状態を書き留める)
  • 他人の気持ち辞書を作る(トリセツ)
  • 気持ちのバリアを張る
  • なりたい人を真似る
  • ToDoリスト(5番目まで)を作る
  • 怒りの矛先を確認して、自分や大切な人でないなら無視
  • 他人の状態をAIのように客観的に分析する
  • 夜寝る前に「困ったことは起こらない、全て良くなる」と声に出して唱える
  • 他者に過剰に期待するのをやめる、ありのままを受け入れる
  • たくさんの人と付き合わない。狭く深く。馬の合わない人とは「来世で仲良くしましょう」とさよならする
  • 自分へのダメ出しをやめる
  • 自分のことを我が子だと考えて対応する
  • 何か一つのことに集中する(特に好きなことが良い)
  • 辛い時と別の自分になる(別人だから責任も関係ない)
  • 他者と比べない。
  • 寝る前にアファメーションを行う(自分自身への肯定的な言葉を口にして自分を励ますこと)
  • マインドフルネスを意識する(意識を「今、この瞬間」に向けること、「呼吸」に意識を集中させること)

自分の感じたことを書き留めるのはとても有効でした。「起こった出来事・感情が生じた原因」→「自分が感じたこと・自分への影響」というように書きます。また、刺激に対する反応は人それぞれ違うため、他人と比較すると面白かったりします。他人のトリセツも冷静に対応するのに役立ちます。Aさんは〇〇の時は△△と反応する、と分かっていれば、深い意味をぐるぐると考えずに済みます。

想像力豊かなHSPは、想像で他者との境界を作るのが有効である、といくつかの本で紹介されていました。本を読んで実際にその場でやってみると、なんか安心したような空気に包まれますが、仕事中など、ヤバイと感じた時にはとっさにできず…未だうまく活用できたことがありません。人によって対応方法も合う合わないがありますね。

なりたい人を真似るというのは特性をプラスに活かしていく方法ですね。私は人前で喋るときはキング牧師やスティーブ・ジョブズになり切っています。

自分の共感力の高さから、他者にも同様のものを求めがちで、細かな気遣いを日々していると時にその頑張りを認めて欲しくなったりします。また不測の自体が怖いからか全体をコントロールしたい思いがあり、それは他者に対しても同様です。そして自分の想像と異なると大きなストレスを勝手に感じてしまうのです。過剰な期待はやめて、ありのままを受け入れていくことを意識すると良いのです。

自分へのダメ出しをやめることも大切です。「もっと素敵なはずの自分」を期待しすぎて、そのギャップに苦しむパターンですね。私も自己肯定感が低いのに理想ばかり高く、フワフワと地に足がついていない状態でした(状態です)。大切なのは卑屈にならず、ありのままを受け入れること。こんなもんかなと。HSPでなくとも理想には近づきたいものですよね。「今はまだ理想の自分ではない」という将来を見据えた正当な評価を自分にあげましょう。そのうちそのうち。期待しないままコツコツと続けていると、気付いたら力が身についています。

何かに集中することは、一見すると疲労が溜まりそうですが、脳は一点のみ集中して使用するとそのほかの領域を休めることができます。そのため、HSPで言えば敏感さで疲れた脳の領域を休めることになるので、心地よい疲労と脳の実質的な回復になります。

HSPに向いている職業

  • 美容師
  • 心理療法士
  • 農業
  • 気象予報士
  • 医師
  • 薬剤師
  • 料理人
  • 会計士
  • 看護師
  • 作家
  • 編集者
  • お花屋さん
  • トリマー
  • ネット収入関連(WEBライター、ブロガー)
  • IT系
  • 役者
  • デザイナー
  • 図書館司書

向いている仕事は、自分の興味があること、HSPの特性(共感力、繊細さなど)を生かせること、自分のペースで仕事ができること(乱されないこと)、刺激の少ない環境であることが条件となってきます。

反対に、競争が激しい、人との関わりが多い、突然の対応を求められる、刺激が多いなどの職場は向いていないでしょう。よく例に上がるのは、営業職・学校の先生・事務職・現場監督などです。

しかし、最も影響するのは職場環境です。刺激が多く、スピード感を求められる大手企業などは苦しいことが多いでしょう。人間を含めた職場環境が重要です。
私は以前SEとして働いていました。IT系はHSPに向いているとされていますが、客先常駐SEで独り言の多い上司と二人で仕事をしていたためストレスが非常に大きかったです。結果半年で転職しました。現在はHSPに向かないとされている学校の先生をしています。雑務を勝手に引き受けて業務量が多くなるところは相変わらずですが、競争を求められることもなく、ある程度予定を自分で組んで動けるため何とか続けられています。

HSPで悩む方へ

HSPの特性を知り、自分の傾向を掴んだことで生きづらさが幾分か減りました。これは仕事の継続にもつながっています。

これまで(今でも)自分はなんてダメな人間なんだと悩み続けていました。仕事も続かず、人とも一緒にいることができず。これから先どうしたらいいのか…。と悩みながらも、業務量過多なのでゆっくり考える時間もなく、ただただ焦燥感のみが募るばかり。限界を変えたらその場しのぎに転職をして、また生きづらさを助長する。そんな繰り返しでした。

まだまだ自分を大切にすることは難しいですが、HSPを知ってからは対処ができるようになってきました。また、他者と自分にこんな違いがあったなんて知り感動。多くの悩みを抱えてきた代わりに、多くの感動を得ることができるこの性質。どうか悩む人が一人でも少なくなりますように。

HSPに関してたくさん本を読んでみました。どれも自分の解説のようで面白かったですし、対処方法など勉強になりました。その中でも特に読んでいてい面白かったのがこちら。

「あるある!」「分かる!」と首がもげるほどうなづきたくなる一冊。
この1冊は読んだ後に自分のダメさを否定してくれたように感じて心が軽くなりました。お勧めです。

ヒト

Posted by tobi