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【レビュー】「病期・病態・重症度からみた 疾患別看護過程 : +病態関連図」実習の記録に苦戦する人におすすめな本!

看護学生に大きな壁として立ちはだかる「実習」

情報を集めて関連図を書きアセスメントをして看護計画を立案する。

ただでさえ疲労が大きいのに大変な記録をこなすのは骨が折れますよね。

そんなときに役に立つのがこちら。

『病期・病態・重症度からみた 疾患別看護過程: +病態関連図』

この書籍について

医学書院から出版されているこの本。医学書院は専門性の高い本が多く、教科書が医学書院という学校も多いです。

全106疾患の病態から症状、病態関連図、看護問題までの流れを網羅している辞書のような一冊。

受け持つ患者様の基礎疾患は大抵これに載っていることでしょう。

病態について一通りの解説があり、絵もついていることから疾患についてのおさらいができます。

疾患の重症度を測るのに必要なスケールも記されていることから、情報を収集する際に必要な項目がわかり、的確なアセスメントの手助けになります。

おすすめポイント

①網羅している疾患が多い

全106疾患と網羅している疾患が多く、実習で出会うことの多い、肺炎、COPD、心不全、糖尿病、大腸癌、肝硬変などはもちろんのこと、さまざまな疾患が掲載されています。

受け持ち患者様が決まったら現病歴や既往歴を確認してこの本を最初に開くと良いでしょう。

②看護過程の流れが理解できる

各疾患ごとに、病態から病期(ステージや重症度)、治療や薬剤など疾患ごとの流れがあり、その疾患から派生する症状とそれに対する看護まで、アセスメントや根拠と共に書かれているため、一般的な経過や治療の流れが理解できます。

看護はその基本的な流れに個別性を入れて支援をしていくため、この一連の過程が載っていることは大きな助けになります。

③関連図がある

看護学生の苦手分野No1ではないかと思うほど苦手な人が多い関連図。

書き方さえわかってしまえば慣れますが、最初は何から書いていいのか不明な人も多いもの。

「病態関連図」として疾患の原因から症状まで書かれているものと、看護問題・ケアまで書かれているものがあり、必要最低限の関連図がのっています。

ただし、本書の関連図は本当に必要最低限であり、かなり省略して見やすくしていると感じます。

ある程度関連図が書けるようになったら他の関連図に強い本で学びを深めていくことをおすすめします。

④看護計画・優先順位まで書かれている

看護過程にはヘンダーソンやNANDAなどいくつかのアセスメント方法がありますが、最終的にはそれらの情報から看護問題をたててケアをしていくこととなります。

実習記録で看護計画に頭を悩ませることも多いですよね。

また看護計画は優先順位も大切であり、命の危機に近いものが優先されます。それがまた話をややこしくしており、状況次第で優先が変わることもしばしば。

しかし内容的には疾患ごとに大差はなく、疾患ごとに必ず確認しなければならない項目などが書かれています。

これをもとに情報を整理していくと自ずと看護過程が出来上がります。

観察項目も書かれてはいますが、情報としては少なめです。

⑤情報量が多く、一冊で完結できる

数ある看護の本には、それぞれ病態に特化したものや関連図に特化したものなど特徴がありますが、本書は全てを詰め込んでいます。

それだけに、とりあえずこの一冊があれば全てを賄うことができます。

もし看護学生の期間中に一冊しか本が買えないとしたら迷わずこの本を買います。

それだけ情報量が多くと活用度が高いです。ただし重いのと高いのが難点ですね。

一方で、その分それぞれの情報は網羅しつつも、他の書籍に比べると内容の面で劣る部分もあります。

自分の苦手な分野がはっきりしている場合はそれに特化した本の方が実用的かもしれません。

それでもなお、この本は汎用性が高く、もっていると安心感があります。

図書館等では実習前は人気でなかなか借りることができないことも多い本です。

使用場面・方法

重すぎるので実習に常に持っていくことはあまりおすすめしませんが、特に実習序盤に威力を発揮します。

受け持ち患者様の決定から、挨拶やコミュニケーション・情報収集をしてから本書の出番。

集めた情報と疾患の情報を照らし合わせながら、患者様に合った看護計画を立てていく。

もちろん足りない情報もあるでしょうし、複数の疾患が絡み合っていることもあります。

状況も日々変化しますし、骨組みだけできればあとは修正しながら計画を実行するサイクルの繰り返しです。

勉強ができて実習が苦手な方にありがちなのが、完璧に全てをこなそうとすることです。

完璧なんてのはムリですし、変化にも追いつけません。

本のデメリットで内容的に不足するところもあると言いましたが、むしろ突き詰めていては実習が終わってしまうかもしれません。そういう意味では内容は程よいのではないでしょうか。

一人の人に時間をかけて関わることができるのは実習の特権なので、人間として向き合いながら、足りない知識や技術は身につけていくのが良いでしょう。

どんなに準備をして行っても十分とは言えないのが実習です。少しでも良い実習ができるよう、本を揃えていくことも大切です。もちろん睡眠時間の確保のためにも。検討を祈ります。

関連書籍

こちらのシリーズは母性・小児・老年・在宅などがありますが、分野が分かれる場合はより内容の充実した本が多く出版されています。疾患別看護過程の本が使いやすければ検討して見てもいいかもしれません。

Posted by tobi