「感情のがんばりすぎ」が心をすり減らす?感情労働とストレス・燃え尽きの深い関係

目次
😔 なんで私ばっかり?“感情の調整役”に疲れていませんか
職場や家庭で「つい、いつも通りニコニコしてしまう」あなた。
それって実は、あなたが“感情のがんばり屋さん”だからかもしれません。
保護者対応、クレーム処理、上司と部下の板挟み…
「ほんとはイライラしてるのに、落ち着いて対応しなきゃ」と、自分の気持ちを飲み込んでいませんか?
わたし自身、看護師として、保護者や患者さんの感情の波に巻き込まれながら
「感情の交通整理役」として動き続けた経験があります。
でも、家に帰るとぐったりしていて「なんでこんなに疲れてるんだろう」と悩んでいました。
📌 この記事でわかること
- 感情労働が心に与える負担とは?
- 感情労働 → ストレス → 燃え尽きの流れ
- 自然な感情表現のススメ
- 今日からできるセルフケアのヒント
🧠 感情を使いすぎると、心がすり減ってしまう
今回紹介するのは、トルコの学校管理職385名を対象に行われた研究。
この研究では、感情を抑えてふるまう「感情労働」が、ストレスや燃え尽き(バーンアウト)にどうつながるのかを分析しました。
結果は以下の通り:
- 感情労働が増えると、仕事ストレスも増加
- ストレスがたまると、燃え尽き症候群に直結
- 特に「感情を抑える」働き方が強く影響
逆に、「自然に湧いた感情をそのまま表現できる」環境では、ストレスや燃え尽きはあまり起きませんでした。
つまり、「ちゃんとふるまうこと」より「ちゃんと感じられること」の方が大切なのかもしれません。
🌿 わたしの体験:表情は笑顔でも、心は泣いていた
保育現場でも、子どもの前では明るくふるまっていたけど、トイレの中で泣いていた先生を何人も見てきました。
私も、相手に合わせて感情を調整し続けて「無」になっていたことがあります。
そうした経験から言えるのは、「感情を出せない人」は強いのではなく、抱えすぎているだけということ。
「いい人」でいるために、自分の心が犠牲になっていませんか?
🧩 じゃあ、どうしたらいいの?今日からできる3つのケア
- 感情のラベルをつける
「イライラ」ではなく、「がっかりしてる」「悲しい」など具体的に言葉にする - “いい顔”を外す時間をつくる
自分ひとりのときは無理して笑わない。表情を“ゼロ”にする時間が、心のデトックスになります - 「疲れた」と口に出す
気力が残っているうちにSOSを出す習慣を。心のバケツが溢れる前に空けてあげましょう
わたしは夜寝る前に「今日しんどかったこと」をノートに書くようにしています。
自分をいたわることも、セルフケアの大切な一歩です。
🌈 感情も、あなたの命の一部
- 感情を抑えること=がんばってる証拠
- でも、無理が続くとストレスと燃え尽きに
- 自然な感情表現は、心を守るクッションになる
- 1日1回、自分の気持ちを見つめてみよう
がんばっているのにしんどい…それはあなたが「弱い」からじゃない。
あなたが感情をたくさん使って、周りを支えてきたからこそなのです。
📚参考文献・出典
- Coşkun, B., Katıtaş, S., & Eriçok, B. (2025). Emotional labor, job-related stress, and burnout in school leadership. BMC Psychology, 13, 818. https://doi.org/10.1186/s40359-025-02987-4
- Hochschild, A. R. (1983). The Managed Heart.
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