自傷行為と自殺念慮の“負のループ”を断ち切るには?10代の心のSOSを見逃さないために

目次
10代の“リストカット”や“消えたい気持ち”はなぜ繰り返されるの?
「最近、子どもが部屋にこもりがちで、腕に傷を見つけてしまった…」
「“消えたい”とつぶやく娘をどう支えたらいいの?」
こうした悩みや不安、親や先生なら一度は感じたことがあるのではないでしょうか。心理士としても、現場で「自傷はストレス発散だから大丈夫」と軽く見てしまう大人の多さに危機感を覚えます。
この記事では、中国の中高生193人を1年間追跡した最新研究をもとに、
- 自傷行為と自殺念慮がどう影響し合うのか
- 孤独感が心に与えるダメージ
- 今日からできる“負の連鎖”を断つヒント
をやさしく解説します。
10代の心のSOSを見逃さないために」——ぜひ最後まで読んでみてください!
自傷行為が自殺念慮を呼び、さらに自傷を悪化させる
調査によると、自傷行為をした生徒は3ヶ月後に自殺念慮を持つリスクが45%増加。逆に、自殺念慮を持つ生徒は自傷を繰り返す確率が5.8倍に跳ね上がります。
中3のAさんは、受験ストレスでリストカットを始めました。
「どうせ私なんて…」と自分を責め、次第に「消えてしまいたい」と考えるように。
——こうした“負のスパイラル”が、実は多くの10代に起きています。
「誰にもわかってもらえない」という孤独感が、自傷衝動の最大の引き金。
- 孤独感の影響度は40%で、不安の2倍!
- SNS疲れやいじめ、家庭の不和が背景にあることも。
自傷は“助けて”のサイン。傷を責めず、“どうしたい?”と未来の話をすることが大切です。
男女で異なるリスク
- 女子は自傷から自殺企図に至るリスクが男子より高い
- 男子は衝動的な自傷が多いが、直接自殺にはつながりにくい
図表:リスク要因と影響度
リスク要因 | 影響度 |
---|---|
自傷行為の有無 | 自殺念慮リスク45%増 |
孤独感の強さ | 自傷衝動リスク最大2倍 |
女子の自傷歴 | 自殺企図リスク5.8倍 |
今日からできる!“負の連鎖”を断つヒント
- SNSより対面会話
週1回は家族でスマホ禁止のごはんタイムを - 「5分ルール」
自傷衝動が出たら、氷を握る・音楽を聴くなど5分だけ別の行動を - 専門家とつながる
学校のカウンセラーや信頼できる大人に早めに相談
NGな行動
- 「かっこ悪い」と感情を否定する
- 傷を見てパニックになり怒る
新しい支援の形
- AIチャットボットの24時間相談
匿名で本音を吐き出せるサービスが増えています - 学校での感情マネジメント授業
絵や詩で気持ちを表現するなど、代替行動の指導も効果的
早期発見が命を救う
自傷行為と自殺念慮は“負のスパイラル”。孤独感の解消が最初の一歩!
- 自傷と自殺念慮は相互に影響し合う
- 孤独感が最大のトリガー
- 女子は特にリスクが高い
身近な10代のSOSを見逃さないで。“大丈夫?”の一言が命を救うかもしれません
参考文献
- 論文タイトル:Nonsuicidal self-injury as the gateway and consequence of suicidal ideation among adolescents
- 論文リンク:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/erv.3205
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