緑藻ウルバが教えてくれる“性の進化”の最前線:性バイアス遺伝子の急速進化とその理由

目次
見た目はそっくりでも中身は大違い!?ウルバが教える「性の進化」の不思議
「オスとメスって、見た目が違う生き物ばかりじゃないの?」
実は、海の中には“ほぼ同じ姿”なのに、遺伝子レベルでは大きな違いを持つ生き物がいます。
今回ご紹介するのは、緑藻ウルバ(アオサ属)――見た目はそっくりなのに、性に関わる遺伝子がものすごいスピードで進化していることがわかったんです。
この記事では、
- 「なぜオス・メスの違いが生まれるのか」
- 「性バイアス遺伝子って何?」
- 「進化のスピードが速い理由は?」
といった疑問を、最新の研究と、ちょっとした日常の“あるある”や体験談も交えて解説します。
「理科は苦手…」という方も大丈夫!
“性の進化”の面白さを、ぜひ最後まで読んで体感してください。
オス・メスの違いはどこから?
学生時代、生物の授業で「オスとメスの違いって何だろう?」と疑問に思ったこと、ありませんか?
ウルバの場合、見た目はほぼ同じ。でも、配偶子(子孫を残す細胞)の動きや“泳ぐ力”に関わる遺伝子が、オス(mt-型)で特に進化していることがわかりました。
たとえば、
- 鞭毛(べんもう)という“泳ぐためのモーター”を作る遺伝子が、オスで急速に進化
- 進化のスピードは、性に関係ない遺伝子よりもずっと速い
まるで「運動会で1位を取るために新しいスニーカーを次々買い替える」ようなもの。
生き残り競争や“より速く泳げる”ことが、遺伝子に強いプレッシャーをかけているんです。
進化のスピードが速い理由
心理学の視点で言えば、「競争が激しいと、人も生き物も“変化”を求める」もの。
ウルバのオス型遺伝子は、
- 正の選択圧(=役立つ変化がどんどん残る)
- 緩和された浄化選択(=多少のミスも許される)
という2つの力で、普通の遺伝子よりも進化が速いことが証明されました。
遺伝子タイプ | 進化速度(dN/dS) |
---|---|
性バイアス遺伝子(mt-) | 高い |
性バイアス遺伝子(mt+) | やや高い |
性に関係ない遺伝子 | 低い |
研究の面白ポイント
- 「見た目はそっくり」なのに中身は大違い!
- 「泳ぐ力」が性の進化のカギだった
- ほぼ等大配偶子(オス・メスのサイズがほぼ同じ)でも、性バイアス遺伝子は劇的に進化
性の進化は「見た目」だけじゃない!
ウルバの研究から分かったことは――
“ほぼ同じ”オス・メスでも、性バイアス遺伝子は激しく進化している!
- 性バイアス遺伝子は普通の遺伝子よりも進化が速い
- 「泳ぐ力」に関わる遺伝子が進化のカギ
- 性の進化は見た目だけじゃなく、分子レベルでも起きている
ぜひ今日から、生き物の“性の違い”を遺伝子の視点でも観察してみてください!
参考文献
- 論文タイトル:Positive selection and relaxed purifying selection contribute to rapid evolution of sex-biased genes in green seaweed Ulva
- 論文リンク:https://doi.org/10.1186/s12862-025-02382-y
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