説教じゃ届かない…心にスッと届く健康情報の伝え方健康情報って、どうしてあんなに堅いの?

「健康が大事なのはわかってる。でも難しい話はついスルーしちゃう…」
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
私も看護師として働く中で、「大事な話なのに、患者さんの心に届かない…」と感じたことが何度もあります。
忙しい毎日、がんばりすぎてちょっと疲れてるとき。
そんなときにこそ、健康情報はやさしく、あたたかく届いてほしい。
そんな願いを込めて、今回は“エンタメ×健康教育”の新しいカタチをご紹介します。
目次
ストーリーで心に届く「Entertainment-Education(EE)」って?
「Entertainment-Education(EE)」は、ドラマや漫画、動画などに健康に関するメッセージを自然に組み込む手法。
たとえば、テレビドラマで主人公ががん検診を受けるシーンや、YouTubeの体験談動画などがその一例です。
実際に、国際的な研究では39件のランダム化比較試験をまとめたメタ分析が行われ、以下のような効果が確認されました。
- 📘 健康に関する知識がアップ(効果量:SMD=0.48)
- 🚶 行動が変わるきっかけに(SMD=0.16)
- 💪「自分にもできそう」という自信が育つ(自己効力感 SMD=0.40)
- ❤️ 健康への前向きな気持ち(態度・意図の変化)も向上
中でも「予防」に関するテーマでは、他のテーマより効果が高い傾向がありました。
つまり、「病気になる前に行動するきっかけ」として、ストーリーが大きな力になるんです。
心にスッと入るのは、説教より“共感”
EEがなぜ効果的なのか。その秘密は「バンデューラの社会的学習理論」にあります。
人は、自分に似た誰かの行動を見て「自分にもできるかも」と感じることで行動が促されるのです。
たとえば、小児病棟で注射を怖がっていた子が、
先に受けた子の様子を見て、安心してスッと腕を差し出してくれたことがありました。
まさに“観察による学び”の力です。
同じことが、大人にも起こるのがEE。
登場人物の気持ちや行動に自分を重ねることで、説教くさくなく、やさしく心に届きます。
今日からできる、小さな取り入れ方
EEのすごいところは、特別な教材がなくても活用できるところ。
ちょっとした意識で、日常の中にも取り入れられます。
- 🎬 健康をテーマにしたドラマや映画を選んでみる
- 📱 SNSやYouTubeで体験談系の健康コンテンツをチェック
- 📝 健康にまつわる自分の経験を、物語風に書いてみる
ドラマで乳がん検診の話を見たとき、「あ、予約しなきゃ」と思い立って行動できました。
理屈じゃなくて、“感情が動いた”からこそ、行動できたんだと思います。
まとめ:ストーリーには、行動を変える力がある
- 💡 EE(Entertainment-Education)は、知識・行動・自信を高める教育法
- 📖 ストーリー形式は、共感しやすく、行動へのハードルを下げてくれる
- 🎯 予防行動に特に効果あり!
- 🌸 忙しい日常の中でも、やさしく健康意識に触れる手段に
1番伝えたいこと:
🧡 健康情報は「知識」だけじゃない。
あなたの心に、そっと届く形がある。
今日もあなたの健康と、やさしさに寄り添えますように。
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