嬉しい思い出はなぜ消えない?脳の“感情ネットワーク”が記憶を強くする

目次
感情が記憶を強くするって本当?脳の“会話”が生み出す忘れにくい思い出
「なぜか嬉しかった旅行の思い出はずっと覚えているのに、昨日の夕飯は思い出せない…」
こんな経験、誰にでもありますよね。心理学の勉強をしていた頃、私も「感情と記憶の関係って不思議だなあ」とよく思っていました。
この記事では、感情を伴う体験がなぜ記憶に残りやすいのか、脳の中でどんな“会話”が起きているのか、最新の研究をもとに解説します。
- 「どうして感動した出来事は忘れにくいの?」
- 「寝ると記憶が定着するって本当?」
こんな疑問に、“脳の扁桃体と大脳皮質の連携が、感情と記憶をつなげている”という答えをお届けします。
この記事を読めば、感情を味方につけて記憶力を高めるコツがわかります。
最後まで読めば、あなたの“忘れにくい思い出”の作り方が見えてきますよ!
要点
- 感情を伴う体験は、扁桃体と大脳皮質の連携で知覚記憶が強化される
- この強化はノンレム睡眠中の脳ネットワーク再活性化がカギ
感情が記憶を強くする脳の裏側
看護師として患者さんと話していると、「嬉しかったことや悲しかったことはずっと覚えているのに、日常のことはすぐ忘れちゃう」とよく聞きます。
心理学の視点からも、感情体験は記憶の定着を助けることが知られています。
でも、なぜそんなことが起こるのでしょう?
最新の研究では、感情を司る扁桃体(BLA)が前頭葉(M2)を通じて一次体性感覚野(S1)に信号を送り、記憶を強化していることが明らかになりました。
しかもこの“脳の会話”は、学習中だけでなく、ノンレム睡眠中(深い眠りのとき)にも活発に行われているのです。
睡眠中の脳の“おしゃべり”が記憶を選別する

たとえば、好きな人と初めて話した日のことは、何年経っても鮮明に覚えているのに、昨日のランチの内容は思い出せない…。
これ、脳の扁桃体が「これは大事!」と判断した記憶だけを、睡眠中にもう一度“再生”して強化しているからなんです。
実験では、マウスに感情を伴う体験をさせた後、ノンレム睡眠中に扁桃体から前頭葉への信号を遮断すると、感情による記憶強化効果だけが消えてしまったそう。
つまり、感情のある体験+良質な睡眠=忘れにくい思い出になる、というわけです。
「大切なことは感情を込めて覚える」「寝る子は育つ」なんて言いますが、
科学的にも“感情と睡眠”が記憶力アップのカギだったんですね!
まとめ:感情と睡眠で“忘れにくい思い出”をつくろう!
感情と睡眠がタッグを組むことで、“忘れにくい思い出”が脳に刻まれる!
- 感情体験はノンレム睡眠中に記憶が強化される
- 大切なことは「感情を込めて」覚える&しっかり寝るのがコツ
- 今日から「感情」と「睡眠」を意識して、記憶力アップを目指しましょう!
ぜひ今日から、感情を込めて学び、しっかり眠る習慣を始めてみてください!
参考文献
- 論文タイトル:Amygdalo-cortical dialogue underlies memory enhancement by emotional association
- 論文リンク:https://www.cell.com/neuron/fulltext/S0896-6273(25)00005-4
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