🌱 どうしてこんなに不安なの? 言葉にできない「子どものこころ」

学校から帰ると、なんとなく元気がない。
「今日はどうだった?」と聞いても、「別に…」と答えるだけ。
こんなふうに、気持ちをうまく言葉にできない子どもたちを、看護師としても、保育現場でも何度も見てきました。
実は、言葉にできない「もやもや」や「不安」こそが、子どもの心のSOSだったりするんです。
目次
🔍 今回ご紹介するのは…“砂遊びで心が軽くなる”セラピー
韓国の研究で、小学生を対象に行われた「サンドプレイグループセラピー」が話題になっています。
週1回×10週、砂を使って心を表現するこのセラピーを行ったところ、
- ✅ 不安が軽くなった
- ✅ 抑うつ症状が減った
- ✅ 自尊感情が高まった
という結果が出たのです(Shin et al., 2025)。
🪴 サンドプレイセラピーって、なにをするの?
砂が敷かれた小さな箱の中に、人形や動物、ミニチュアの木や建物などを自由に並べて、「自分の世界」を作っていきます。
たとえば、
- 嫌だったことを表す「黒いドラゴン」
- 頑張っている自分を守る「小さな勇者」
- 大切な家族を表す「あったかい家」
など、感情や記憶を、無理に話さなくても手で表現できるんです。
これは、看護師としてカウンセリングに立ち会ってきた私の体験でも「言葉より先に出てくる感情」を大切にする場面でした。
📊 実際のデータ:セラピー後にどんな変化が?
指標 | セラピー前 | セラピー後 | 変化 |
---|---|---|---|
抑うつ(CES-DC) | 34.9 | 17.0 | 約半分に減少 |
不安(RCMAS) | 25.4 | 16.6 | 大幅に軽減 |
自尊感情(RSES) | 22.6 | 27.5 | 明確な向上 |
(出典:Shin et al., 2025 “BMC Psychology”)
👩⚕️ 看護師の視点から:「あの子が、話してくれた日」
ある日、病院で不安を抱えた子が、サンドプレイのあと「これ、わたしの気持ち」と、静かに話してくれました。
それまで無言だったその子が、自分の中にあった「さびしさ」や「怒り」を砂の中に置き換えて、そっと見せてくれた瞬間は忘れられません。
心を表すには、ことばだけじゃ足りないときがある。
そんなときに「手を使って自分を表現する」方法があるということは、子どもたちにも、大人にも大切な選択肢なのです。
💡 今日からできる!手を使った「こころの整理」アイデア
- 🫧 お皿に砂やビーズを敷いて、気持ちを“ミニ風景”で表す
- 📸 出来上がったら、スマホで撮って記録する
- 📝 感じたことを1行だけメモに書く(例:今日はちょっとだけ元気)
私は「夜の静かな5分」を使ってこのミニセラピーをしています。
スマホの光を消して、音も止めて、ただ手を動かす時間。
終わったあと、不思議と呼吸が深くなって、気持ちが静かになりますよ。
🎀 子どもの「こころの居場所」をつくるということ
- 🔸 子どもは言葉にできない不安を抱えていることがある
- 🔸 サンドプレイは「安心して心を出す場所」になる
- 🔸 抑うつ・不安の軽減や自尊感情の向上にも効果がある
- 🔸 大人にも応用できる「手を使った心の整理法」
🌼言葉にならない心も、大切にしていい。
そんなメッセージを、この小さな砂の世界から受け取ってもらえたらうれしいです。
📚 参考文献:
Shin H et al. (2025). Effects of sandplay group therapy on children at risk of suicidal ideation. BMC Psychology.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40676714
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